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あれから何回か黒い塊が出てきたが、三騎士とウッド、クレハで対応することが出来た。
戦いの途中で今までのことを説明しつつ、進む。
そして、ついにガーベラの住居に辿り着いたーーーーーーーーーー
クレハが封印した住居から物々しい圧を感じる。
それを感じながらもダークはクレハに封印を解くように言った。
一瞬でもガーベラを苦しみから解き放したい一心だったのだ。
「待って下さい。少しだけ準備を」
クレハは小さな結界を作り、そこにあかりと真守を入れた。
「二人はとりあえずここに。何かあれば来て下さい」
「分かりました」
真守の返事にあかりも頷く。
「行きましょう」
クレハはウッドと3騎士に言った。
4人は無言でうなづく。
「………」
クレハはつぶやくように魔法の言葉を唱える。
そして、すっとドアノブに触れた。
バチっ!!
凄い音を立てて、ドアの周りにあった淡い光が消える。
「…行きましょう」
クレハをドアノブ触れると勢いよく、開けた。
「!」
3騎士の目に飛び込んできたのは石化されたガーベラの姿ーーーーーー。
「…ガーベラさま」
普段は強気なのに似つかわしくない弱弱しい声のレ-ラの横で、
「来る!」
ガーベラから何を感じとったネイビーは剣を抜いた。
ネイビーが剣を抜いた直後、石化されたガーベラの姿が変わっていった。
石化は解かれ、ガーベラが黒い闇に包まれる。
そしてゆっくりと闇が去ると、そこに現れたのは…ガーベラより少し大人の女性だった。
『我が名は…そうだな。スリーピングビューティー…とでも名乗ろうか』
「お前はなんだ?」
ダークが問う。
『お前もわかっているのだろう、黒の騎士・ダーク。
今の我はお前の主人・ガーベラでもあり、……すべての人間の心の闇の結晶でもある。
くくく。長かったわ。ずっと闇の中にさまよっていた。
どのくらいの時をさまよったかわからない。…そんな時、ガーベラが現れた。
あれほど「強い闇」を持つ者はいなかったぞ。
ガーベラこそが我の器にふさわしい。…そう思っていたがなかなか奪えなかった。
そこの守護騎士(ガーディアン)どもや姫の力に阻まれて、近づけなんだからな。
だから1年かけて近づいたのだ。ゆっくりとゆっくりと…そしてやっと、器となった!』
スリーピングビューティーが叫ぶと部屋中に風が巻き起こった。
「くっ!」
ダークも、ほかの2人も、ウッド、クレハも動くことはできない。
「……馬鹿なことをいうんじゃなくよ!」
ひどい風の中、レ-ラが叫んだ。
「ガーベラさまがあなたのような外道に負けるわけがない!!」
『外道?』
ギロリとレイラをスリーピングビューティーが睨む。
「!」
氷のような瞳で見られたレ-ラは息をのんだが、また叫んだ。
「外道は外道よ!生き物でもないものだわ!!」
『…お前だって、ほかの3騎士の2人だって、生き物なのかい?』
「………」
レ-ラは答えることができなかった。
正直、自分は何なのかわからない。
元の体・ガーディアンの3人があったとはいえ、
1年前にそこからガーベラの魔法で姿を変えられて生まれてきたのが3騎士だった。
「…人間だよ、今は人間だ」
答えたのはウッドだった。
隣にいたネイビーを見つめて、スリーピングビューティーに言う。
「自分がネイビーだった時期はあった。今でもその頃のことを覚えている。…だけど今は隣にいる。
1年前は何であれ、今は人間だ。元・ネイビーの俺が言うんだ、間違いない。
こいつは、いや、3人はちゃんと生きている。自分の意志を持ってる。
十分人間だ。…俺だけじゃない、きっとエフォートも…ライトもそう思うと思う」
「…ウッド」
ウッドに聞こえないような小さな声でネイビーはつぶやいた。
嬉しかった。
自分が何者かわからないまま1年前に消滅し、気が付いたらまたこの世界にいた。
正直ガーベラを救ったのちに、自分はどうしたらいいのかわからなかった。
そこに自分だったウッドの言葉。
生きているだけでいい。やっと答えが見えた気がした…。
「そうだ、俺たちは人間だ!」
ネイビーはスリーピングビューティーに切りかかる。
『くっ!』
スリーピングビューティーは部屋中の風をネイビーに向けた。
「うわ!」
あまりに風にネイビーは転倒する。
だが、そこにウッドが飛び込んできて頭を打つのは防ぐことが出来た。
「無茶をするな。お前が傷ついたらガーベラが泣くだろう?」
「…すまない」
ウッドはにこりと笑うと、ネイビーの頭をポンと叩いた。
「俺もお前が傷ついたら悲しいよ。…なんか弟みたいに思えてきてさ」
「ウッド…」
「…行くぜ、兄弟。風もやんでるみたいだし」
ウッドがにやりと笑うと、スリーピングビューティーに突っ込んでいった。
「木よ、剣(つるぎ)となれ!フォレスト・ブレーク!!」
利き手に込めた魔法の力が大剣の形をなり、ウッドはそのままに切り付ける。
ザシュ!
『ぐぁぁ』
スリーピングビューティーは小さな声を上げた。
「効いた!」
クレハが声を上げる。
『な、なんだ。これは…ガーベラの記憶の中にも守護騎士(ガーディアン)にこんな力があるとは……』
「紺の力、破壊せよ!ネイビー・クラッシュ!!!」
驚いていたスリーピングビューティーにネイビーの新たな魔法の一撃が加わる。
『あぁぁ!』
叫んだあと肩で息をし、スリーピングビューティーはネイビーをにらみつけた。
『中途半端な生き物のくせに!|
破滅の力、我に!ディスクラクション・インパクト!!』|
バリバリバリ!
ネイビーに向けたスリーピングビューティーの左手から黒い稲妻が放たれた。
「!」
すんでのところはでネイビーをよけ、剣を構える。
ネイビーの真横では稲妻の直撃を食らった本棚が黒焦げになっていた。
「たぁあああ!」
スリーピングビューティーが稲妻を放った直後。
ダークが切り込んでいた。
「!」
ザシュ!!!
反応が遅れたスリーピングビューティーの肩に少し切りつけることにに成功する。
『グッ!!!』
スリーピングビューティーはダークをにらみ、右手を向ける。
右手から黒い靄が出てそれはあの「黒い塊」になった。
たくさんの黒い霧は部屋いっぱいの数の「黒い塊」になり、部屋にいた一行を襲う。
『ゆけ!!』
黒い塊は3騎士とウッド、クレハに襲い掛かる。
部屋中で戦いが始まった_______
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「はぁあああああ!」
ウッドは剣に気合を込める。
剣は輝き、まばゆいばかりの光を放った。
『ギャアアアアアア!!』
目の前の黒い塊たちはあっという間にチリとなり、消えていく。
「ふぅ。倒しても倒しても出てきやがる。きりがないな」
そう呟いた時……。
「危ない!」
(ネイビーの声?)
はっと振り向くと違う黒い塊が目の前にいた。
「しまっ………」
一瞬目をつぶってしまったがあわてて目を開ける。
目の前にはネイビーとチリになり、消えかかっている黒い塊がいた。
「助かったよ、ネイビー」
「………別に。当然だから」
ネイビーはそう言うとまた違う黒い塊に向かって走って行った。
「…ふふ」
ウッドは笑うとまた剣に力を込める。
「はぁあああああ!」
一振りで襲いかかってきた黒い塊をチリへと変えた。
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「やぁああああ!」
ザシュッ!!!
レ-ラの剣が黒い塊を切り裂く。
『!!!』
黒い塊は叫ぶことなく、チリと消えた。
「ふぅ、なんですの。斬っても斬ってもわいてくるなんて!……ん!?」
気がつくとまた黒い塊が襲ってきていた。
ザシュッ!
レ-ラの剣がまた黒い塊を切り裂く。
「もう!!………あっ!」
上手く切り裂いたのだがレ-ラは足をカーペットに取られ、転倒しそうになった。
そこにまた黒い塊が…!
「あっ!」
(しまった!)
そうレ-ラが思った瞬間、自分の体を暖かな何かが守ってくれた感じがした。
目の前を見ると黒い塊はチリとなり、自分の後ろには「クレハ」という新しい土の守護騎士(ガーディアン)の姿が…。
どうやら彼が転びそうになったレ-ラを支え、黒い塊を倒したようだった。
「怪我はない、お嬢さん?あ、レ-ラだったね」
優しく微笑むクレハ。
その姿に少しつ頬を赤らめ(本人は気づいていない)……
「怪我なんてしませんわ!」
レ-ラはそのまま走りさってしまった。
「元気そうだね。良かった」
ニコニコ微笑むクレハは落とした剣を拾い、また走り出す。
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『破滅の風よ、その刃で切り裂け!ディスクラクション・ハリケーン!!』
スリーピングビューティーの声とともに地面からたくさんの黒い風でできたナイフが現れ、
目の前に立っていたダークに襲い掛かった。
カンカン!カン!カンカン!!
ダークは顔色を変えず、風のナイフを剣で受け流す。
そのままスリーピングビューティーの近づき、剣を振り上げた。
『!』
スリーピングビューティーはその剣を受け止め、剣を投げ捨てる。
「はぁぁぁ!」
剣を取られたダークはとっさに何も持ってない状態でそのまま切りかかった。
『ばかなことを。……あっ!!!』
スリーピングビューティーは笑っていたが、すぐに膝をついてしまった。
腹部から黒い血が流れている。
そこには短刀が刺さっていた。
「…油断したな。その短刀はガーベラ様から3騎士が頂いたもの。ずっと懐に入れていたものだ。
それに少し魔法力も込めた……」
『……生意気だ!!!』
スリーピングビューティーから黒いオーラが巻き起こる。
そのオーラは黒い炎のように燃え上がった。
『死ね!』
「!」
気が付くとダークは黒いオーラの炎に包まれている。
(なんだ…これ…は。本物の炎のように熱く……体力も精神力も……吸い取られて…いく)
バタン!
ダークは気を失い、倒れてしまった。